祝 8020運動30周年!
2018.06.06更新
こんにちは。ひとみ矯正歯科医院の田村です。
今日は8020運動についてお話ししようかと思います。8020運動、よくご存知の方も多いかと思いますが、説明しますね。
簡単に言うと、80歳になった時に歯を自分自身の歯が20本以上残っている状態にしよう!と言う運動です。
先天欠損がない人であれば、親知らずを含めて全部で32本の歯が本来あるはずです。えー!80歳までに12本も抜くことってあるのかな?って思う方もいらっしゃるかもしれませんね。でもそれは考えが甘いんですよ〜。
日本人は顎の大きさの関係でほとんどの人が親知らずは普通に生えることができずに抜歯したりします。親知らずは上下左右で4本ありますからそれだけでマイナス4本。つまり8020運動達成のためには8本しか抜歯できません。
その上矯正治療で上下の小臼歯の抜歯をしたりするとそれでまたマイナス4本。ですから抜歯矯正した人が8020運動達成のためには4本しか抜歯できませんそう考えると、結構大変だな・・・って思えますよね!
また、そういう風に考えると矯正治療って8020運動に逆行してるんじゃないの?って思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに歯の本数だけ考えると逆行しているのですが、顎に入りきらない歯を抜くことによって残った歯の寿命を延ばすことができます。どういうことかというと、あごに入りきらなくて歯がガタガタに並んでいる部分というのは歯の周りにしっかりと歯槽骨(歯の周りの骨)が取り巻くことができない状態になっています。
歯を失う理由で一番多い歯周病は、歯槽骨が歯周病菌によって溶かされて、歯がグラグラになって抜けていくという病気ですから、歯の周りの骨が少ないとあっという間に歯周病が進行してしまうということになるんです。
実際、歯並びがガタガタの部分は歯磨きもしにくいですし、歯周病になってしまうとガタガタの部分一気に歯槽骨がなくなってしまい、歯がグラグラになってくるので複数の歯を一気に失ってしまうことも多いんです。
ですので、矯正治療によって歯一本あたりの歯槽骨の量を増やすことによって、歯の寿命を長くしているんですね。
また矯正治療をすることにより、逆に歯磨きへの意識が高まってよかったという患者様もいらっしゃいますよ。矯正治療はゆっくりと進んでいく治療です。治療しながら歯磨きの仕方や歯のお話ししながら進めていくと皆さんお口の中への興味を持ってくださるみたいですね。
平成元年に日本歯科医師会と当時の厚生省が始めた8020運動ですが、今年で30周年を迎えます。
開始当初、達成率7%程度だったそうですが、平成28年には51.2%で過半数となりました!
自分の歯で食事ができることは健康寿命を延ばすことにとても効果的ですし、何より美味しく食事ができることはとても幸せなことです。もっともっと達成率を伸ばしていきたいものですね。
私たちもそれに寄与できるよう頑張っていきたいと思います!